前回の
たたりの詳細を書きたいと思います。
先週の火曜日、会社の台湾人エンジニアと会社の外で一服していたときのことです。僕はタバコを吸わないので、同僚の台湾人がタバコを吸っているかたわら、Guvaジュースを飲みながら雑談を交わしていました。紙パックのジュースだったので、ストローを紙パックの中に差し込んで南国のフルーツジュースを楽しんでいました。ふと、ストローを入れていた袋が邪魔になったので、ゴミ箱はないものかと付近を探していたところ、ちょうど手ごろな赤い入れ物がありました。ゴミ箱には見えなかったのですが、中を見てみると燃えカスのようなものがあったので、きっとゴミを焼却しているのだろうと思い、無造作にぐちゃぐちゃになったストローの袋を投げ込みました。
それを見た同僚が、「俺はキリスト教だから、迷信は信じないが参考のために教えてやるよ。今、おまえがゴミを投げ込んだ赤い入れ物は、鬼(霊魂)にお供え物をするための入れ物だ。そこにゴミを投げ込むと報いがあるから、普通の人はやらないよ。まあ、これは道教の迷信だから、俺は信じないがな。」と忠告をしてくれた。そんなこと早く言ってくれとは思ったけど、自分もあまり迷信を信じないたちなので「聞かなかったことにするよ。」と言ってその場をやり過ごしました。
きっと何もないさ、と高をくくって普通どおりに生活をしていました。
その晩、いつになく体を動かしたかったので、居候をしている台湾人家族の子供の中学生二人に、アメフトの投げ方を教えてやるから一緒に公園で運動しようと誘いました。中学2年生の兄のほうは野球のキャッチボールがしたいと頑なに主張していたけど、夜は暗いし野球のボールは小さすぎるからアメフトにしようと彼の意見を突っぱねました。基本的な動作を一通り教えた後で、簡単なミニアメフトゲームを始めました。僕が守備で中学生二人が攻撃をしていたときです。この二人はかなり運動神経がいいので、ちょっとムキになっていたことを告白します。弟が投げたボールの放物線を追いかけながら、兄に渡る前に間一髪でボールを叩き落としました。ところが勢いあまって兄と接触してしまい、体のバランスを失いました。僕達が遊んでいた場所は、ローラースケートリンクの中だったので、鉄製の手すりがぐるっとリンクを囲んでいました。
「ゴンッ!」バランスを崩した拍子にローラースケートリンクを囲んでいた赤い手すりに思いっきり顔面をぶつけました。その瞬間は何が起こったか分からず、その場にうずくまってしまいました。あまりの痛さと顔面から流れ出る熱い血に、初めて顔面を手すりにぶつけたことに気づきました。両方の鼻孔から滴り落ちる血に、これは尋常な怪我じゃないと思い、すぐに家に戻ってホストファミリーのおじさんに病院に送ってもらいました。診断の結果、全治4~6週間の鼻骨骨折だということです。今でも、手すりにぶつかった瞬間のことを思い出すと、冷や汗が出るくらいです。
病院から帰ってきて、ふと会社で同僚に言われたこと思い出しました。
『そこにゴミを投げ込むと報いがあるから、普通の人はやらないよ。まあ、これは道教の迷信だから、俺は信じないがな。』
本当にたたりだったとしたら、恐ろしいことです。もうしません。お許しを!
by 鼻っ柱をへし折られたガジュ丸